買い物 stock outlook 2003 7 29
最新の週足チャートブックのデータによると、
投資主体別の売買動向について、最近の傾向は、以下のとおりになっている。
売り越しが大きい順に並べると、
信託銀行、個人(現物)、銀行、生保・損保となっている。
意外なことに、銀行、生保・損保の売り越しは、長く継続しているが、
最近の信託銀行の売り越しに比べれば、大きくない。
特に7月に入ってからの売り越しについて言えば、
銀行、生保・損保の売り越しは、信託銀行の売り越しの3分の1以下である。
5月から7月のまでの、信託銀行の売り越しの大きさに比べれば、
銀行、生保・損保の売り越しは、気にならないほど、小さく見える。
とりわけ、7月上旬の信託銀行の売り越しは、かなり大きく、
それに比べれば、銀行、生保・損保の売り越しは、誤差の範囲内と言ってよい。
信託銀行の売り越しは、「厚生年金基金の代行返上に伴う売り」と考えられる。
信託銀行の売り越しが大きかった時期と、
東証一部の出来高が非常に大きかった時期と、だいたい重なる。
この「厚生年金基金の代行返上に伴う売り」が、永久に続くことは、あり得ないので、
楽観的に考えれば、
これだけ、信託銀行の売り越しが大きいにもかかわらず、
日経平均株価は堅調と言えたので、
「厚生年金基金の代行返上に伴う売り」が途切れたら、
株価の値動きが軽くなると考えられる。
また、個人(現物)の売り越しが、
6月、7月上旬は、銀行、生保・損保の売り越しより、大きかったので、
個人(現物)の動向が変れば、
株価の値動きが軽くなると考えられる。
外国人の今後の動向は、不明だが、
「ここ3か月の主役は欧州勢、買い越し金額では米国投資家」
「この3か月間は欧州投資家が主導権を握ってきたと見て取れる」
というデータが発表されたので、
このデータを中心に検討する必要がある。
あくまでも推定であるが、最近の上昇相場の前半は、 欧州勢で、
後半は、米国投資家だったと考えている。
こう考えてみると、米国投資家も、最近の上昇相場に乗り遅れたと言えるかもしれない。
いずれにせよ、欧州勢が多いならば、
東京証券取引所も、英語だけでなくて、南から言えば、
スペイン語対応、フランス語対応、ドイツ語対応も、
考える必要がある。
欧州勢が、前半の上昇相場を支えたのならば、
欧州勢に対するサービスの向上を考える必要がある。